
今年最初の観察会はとても天気が良く、鳥見日和でした。例年より少し雪が少ないものの、スノーシューやスキーをはけば、林内を縦横無尽に歩き回れます。
センターハウスの駐車場からさっそく法面を登り、カラマツ林へ突入。ハルニレ(コブニレ)の低木にハチの巣を見つけました。もちろん今は巣の主はいませんが、ちょっと様子が変。六角形のハチの巣の上には傘のような屋根が作られています。
ハチに詳しいSeさんによると、これはスズメバチの仲間が作った巣で、六角形の巣のまわりにカバーを作る予定だったのが、何かの理由で親蜂が事故に遭い、作りかけで終わってしまった巣だろうとのこと。巣作りの初期段階の様子がよくわかりますね。
昨年の10月、天候悪化のため途中で終わっていた巣箱の点検掃除をしながら進みました。今日確認できた巣箱は13個。このうち、空だった巣箱は紐が切れて傾いていた1個だけで、あとは全てコケや枯れ葉などが入っていて、小鳥やネズミ類が利用した痕跡がありました。ひとつひとつ、中に入っているコケや枯れ葉を出していきます。これらの巣材は巣箱を利用した小鳥やネズミ類が運び込んだもので、数年くらいならそのままにしていてもいいのですが、やはり放っておくと中の巣材が腐って小鳥も小動物も利用してくれなくなりますし(動物たちもきれいで清潔な家を好みます)、巣箱の痛みも早まるため、できるだけ中のものは出してしまうことにしています。
中にはヒガラのものと思われる卵が残っていた巣箱もありました。孵化しなかったのでしょうか?また、親鳥と思われる小鳥(ヒガラ?)の死体の一部が残っている巣箱もありました。卵を抱く時期に、長雨や寒い日が続くと、カラ類などの小さな小鳥は凍えて死んでしまうことがあるそうです。
中にはぎっしりとコケや枯れ葉などの巣材が入っている巣箱もありました。こちらもヒガラなどのカラ類だと思われますが、毎年、巣箱掃除をするたびに、あの小さな体でよくこんなにいっぱい運んできたなぁ~、と感心してしまいます。
雪の中を一生懸命に歩いているうちに汗ばんできました。ウサギやリスの足跡を観察していると、妙にカラスが騒ぎ始めました。なんだろうと思っていると、林の奥からカラスに追われ、大きな鳥が飛んで来ました。なーんと!クマタカです!翼の縞模様(鷹斑模様)が美しい。参加者の頭上を低く通過し、悠然と林の奥へ去っていきました。一瞬のできごとでしたが、参加者15名、全員バッチリ見ることができました(^^)v
クマタカは春~夏の間はもっと標高の高い山の方に棲むタカですが、秋~冬は食べ物を求め、あるいは若い個体は定住出来る土地を求め、行動範囲が広がって、意外な場所にいることがあります。てんとらんどはウサギもリスもたくさんいるので、もしかしたら餌を求めてやってきたのかもしれませんね。また会えたらいいなぁ(^^)
その後、モモンガのフンがたくさん落ちている場所を発見。夕暮れ時にこの場所に来たら、あの愛くるしい姿を見ることができるかも?
色々なことを想像しつつ、センターハウスに戻り、観察会終了~。実り多い観察会でした(^^)
確認種:コゲラ、トビ、カケス、エナガ、ヒガラ、ハシブトガラ、ヒヨドリ、ベニヒワ、モズ、ゴジュウカラ、ハシブトガラス、クマタカ、シジュウカラ(以上13種類)
参加者:15名